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10年目の韓国を旅する
2日目
ソウルの休日

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 さすがに朝は、少し寝坊。今日はバイトという友人と別れ、11時に妹と合流した。

 街を見ていると、新型インフルエンザ予防啓発の広報が、あちこちに出ている。手洗い、うがいの励行を呼びかける内容は概ね日本と同じだけど、その数は日本よりも多い印象だ。何事も適当に見られがちな韓国だが、右に倣えのキャンペーンは、相当に徹底して行う。ただその意識が市民へ浸透しているかと言うと…トイレで手を洗わない人が多いのも、所構わずクシャミをする人も、そんなに以前と変わらない。

 地下鉄1号線に乗り、永登浦(ヨンドンポ)駅で下車。この駅前に巨大ショッピングモールがオープンしたという情報を聞き、買物好きの妹もいることだしと途中下車してみたのだ。しかしロッテ百貨店こそあるものの、ショッピングモールの気配などなし。駅を取り違えていたようで、仕方なく駅内のクリスピークリームドーナツを味わって暇つぶし。日本ではまだまだ店舗数の少ないクリスピーだが、甘い味は韓国人の嗜好にマッチしたようで、韓国では急激に増えている。ちなみに件のショッピングモールは、いまだにどの駅のことだったか分からない。

 再び電車に乗り、京釜線を下る。ソウルメトロ所属のステンレス製電車で、1号車には自転車スペースが設けられていたのが目新しい。自転車復権の時代に鉄道も歩調を合わせ、各駅への自転車置き場の整備やサイクルトレインの運行を行っているが、地下鉄電車への自転車スペース設置もその施策の一つ。ただ慢性的に混雑するソウル近郊の電車では、どう考えても非現実的な取り組みだと思うのだが…

 衿井(クムジョン)駅で4号線に乗り換え、坪村(ピョンチョン)駅へ。地下にある坪村駅は、一見「地下鉄」のような駅だが、ソウル市から外れた首都圏ということでKORAILの管轄になっており、果川(クァチョン)線が正式名称である。長距離列車の切符も買えるので便利だが、さすがにこの駅の駅員さんは、パスの扱いに慣れていなかった。

 さて、ここ坪村の大学病院に勤める看護師の友人と合流。妹と共に、ソウルの休日を楽しむことになった。まずは餅村駅近くの食堂で、お昼ごはん。少し高級でこぎれいな大衆食堂といったところで、看板メニューはその名も「家庭定食」。なるほど、韓国の家庭の味を連想させる、激辛とは無縁のほっとする味だ。1時過ぎとあって店は空いていたが、昼時には近所のサラリーマンで満席になるそうだ。とにかく、美味しかった。

 4号線でソウル方面へ上り、大公園駅で下車。このあたりの4号線はずっと地下を走るので知らなかったが、地上に出ると豊かな山の緑、そして公園へ続く並木が続いていた。そして大勢の人出。ソウル都心から地下鉄1本で来れる都会のオアシス、それがここ「ソウル大公園」だ。遊園地に動物園、水族館まで、まさになんでもござれのレジャーランドである。

 大公園の名前に違わず、園内は広々。動物園の動物は、キリンにリスにと珍しいものではないが、動物園自体に来たのが久しぶりで、何だか童心に帰った気分になる。ライオンは大股を広げて惰眠をむさぼっており、もう少し百獣の王らしい姿を見せて欲しかったと思う。

 イルカショーは2,000ウォンと格安。プールはかなり広くて、イルカもゆうゆうと泳いでいた。調教師のお兄さんはアドリブも効いて、観客を不愉快にならない程度にいじり、笑いを誘う。韓国語が分かるのであれば日本のイルカショーより楽しく、おすすめしたい。

 かなり広い公園は、歩くのも大変。帰路は、園内を巡回するロードトレインに乗ってみた。吹きさらしの客車は、秋の風が少し肌寒い。厳しい寒さの韓国の冬だったら、とても乗れないかなと思う。ぜひいい季節に訪れたい。

 陽も落ち、坪村へ戻って夕ご飯。好きな韓国料理の一つ、カムジャタンをおいしく頂く。店のおじちゃん、頑張っているのは分かるのだが、一人で切り盛りしていて大変そうだった。

 再開を期して、再び地下鉄4号線でソウル市内へ。友人宅に戻り、2日目の夜も更けていった。


 


▲駅前から気持ちのいい並木が続く


▲公園内は広々


▲イルカショーのプールも広い


▲ネオン輝く坪村


▼3日目に続く








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