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10年目の韓国を旅する
5日目
7年経ってもまだまだOB

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田舎街の交通も進化する

 朝10時。窓を開ければ、爽やかな山の緑と、青空がいっぱいに広がった。鋼男は、今日午前10時半の講義があるから早く帰らなきゃと言っていたのだが、「あと5分…」と前にも聞いた台詞で、惰眠をむさぼる。また飲ませ過ぎちまったなと、毎度のことながら反省。

 朝食も食べず、忠州へ。途中、鎮南駅にも立ち寄ってみたところ、緑色の木造駅舎は変わっていなかったが、駅の周囲の出店がかなり増えていて、観光地色が強まっていた。レールバイクに触発され周囲が観光地化されているようで、当たっているようである。

 忠州市内で、午後の講義がある鋼男と分かれ、僕は一人、留学先だった忠州大学へバスで向った。20002年には非冷房のバスが走り回っていた忠州だが、いつの間にか低床バスまで走るようになっている。

 そして今回、涙が出るほど感動したのが、案内放送が入るようになっていたことである。韓国の地方都市のバスでは放送なしが当たり前だったのだが、20万都市・忠州でも放送が入るとは、時代も変わったものだ。バスの座席には「バス運行中 席の移動をしないで下さい!バスが停車後に立ってください」なんて、どこかで見たような文字も。ただし、韓国でも乱暴な方と評される忠州のバス。少しソフトになってきた気はするが、悠長に停車後に立っていたら、当然のように通過されてしまいそうである。

 大学では、留学時代にお世話になっていた鎮教授と再会。いつものように!?お昼ご飯に連れ出して頂いた。ダム湖畔にあるレストランで、韓国では初めてのウナギをご馳走になる。鉄板の上に玉ねぎを載せ、その上でじゅうじゅう焼かれたウナギは、なんだか焼肉定食のよう。日本の蒲焼をイメージしていると裏切られること受け合いだが、これはこれで美味しかった。

 湖の上には、見慣れない橋が建設中。忠州の市外地外郭を結ぶ環状道路が建設されているとのことで、そのものは都市計画上必要な道路であるとは、交通工学が専門の鎮教授の弁。ただ背の低い斜張橋は教授の好みではないとか。確かに、デザインというにはちょっと中途半端な印象がある。

 帰路、教授の車がだいぶ年代モノなのに気付き、
 「もう20万キロ近くですか!?韓国の車は壊れやすいなんて言われてた時代もありましたが、長く乗れるようになりましたね」
 「そう、もう日本車との差はないね」
 なんて話題にしていた矢先、車が異音を上げた。パンクのような音だったが、タイヤには異常なし。しかし走っていたらまた異音がしたため、そのまま市内の自動車整備工場に直行することに。

 「壊れにくいって話をしてたら、壊れちゃいましたね」
 「こんな話、しちゃいけないのかな」
 時間がかかるかもしれないということで、僕一人バスで市内に戻ることに。今日2度目の「進化したバス」で、ふたたび大学方面へ向った。


 


▲山の空気が気持ちいい


▲鎮南駅前はなにやら賑やかに


▲焼きうなぎ定食?



7年前でもまだ戻れる

 大学では、留学当時に世話になっていた日本語サークル「笑顔」の部室へ。留学していたのはもう6年も前の話で、当時のメンバーといえば1人しか残っていないが、どんなにメンバーが変わっても歓待してくれるのが嬉しい。

 大学内をブラブラ。これまでの産業大学から、近隣の短大との合併を経て一般大学への脱皮を図っており、見慣れた山が削られ、どんどんキャンパスが広がっている。「産学協同プラザ」なんてどこかの国で見たような名前の、ガラス張りの近代的建築物も完成が近付いているが、前回訪問の2007年11月には躯体が組みあがっていたはずで、どうにも工事が遅い印象。突貫工事のお得意な韓国のはずだが、なんと建設中に火災を起こしたらしい。なんとも…

 夕方には麓の学生街に降り、食堂で酒盛り。この場所、確か粉食屋…文字通り粉モノを中心にした軽食堂…だったはずだが、経営者が変わり、鉄板焼きスタイルの店になっていた。韓国の店、流行らなければ流行らなかったですぐつぶれるし、人気になれば大きな店に変わるしで、変化が激しい。1年経てば、街も店も姿を変えてしまう。

 いい感じに盛り上がり、2次会は大学の芝生広場で酒盛り。日本人も、ビアガーデンやら花見やらで外飲みするのは好きだけど、韓国人は輪をかけて大好き…な気がする。広場はそうした場所としても大切で、広場を一部潰して階段状のステージを作ったことは、学生側からの評判が悪い。

 見知らぬ者同士だったけど、一度酒を酌み交わせば仲間。年齢の差も国籍の違いも忘れ、多いに語り合った。

 11時前にはお開きになったものの、これで終わらないのが韓国の夜で、ハンドルキーパーに連れられ小1時間、サークルメンバーの一人が研修に来ているという、山間の研修施設へ。忍び込んだりして大丈夫なのかと思ったが、きちんと部屋を確保してくれていたようだ。

 研修施設とはいっても、最新型のシティホテルのように立派な設備。布団もきれいで、気持ちよく眠れそうだが、そう簡単に眠れるわけもなく、3次会はやはり深夜まで続いた。


 


▲まだ工事中の産学協同プラザ


▲芝生でカンパイ!


▼6~7日目に続く








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