▲ぐっと雰囲気がよくなったKTX山河の特室
▲ガラガラで心配になるビートル
▲この景色を見ると、福岡に帰ってきた気分になる
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五松からは、再びKTX山河に乗り、一気に釜山まで下る。京釜線のKTX山河は区間運行の列車に限って運用されており、この列車もソウル南部の光明(クァンミョン)始発である。無駄な駅と揶揄された光明も、今や4往復の始終着列車を擁するに至った。それも、ほぼ満席状態である。
今回の旅最後の列車でもあるので、特室(グリーン車)を奮発してみた。とはいえKRパスと特典で半額になり、邦貨で800円そこそこ。
接客設備が改善されたKTX山河だが、特室車は従来型KTXと同じ3列の回転式。それでも「ただ広いだけ」で高級感に欠けた従来型に比べ、木目調の壁や間接照明など、ぐっと調度に意が注がれている。リクライニングは電動だ。KTX山河なら普通車でも充分と思ったが、実際に特室に乗ってみると、やはりレベルが違った。
ミネラルウォーターなどの特室サービス品は、従来型のような自販機からの「取り放題」ではなく、スナックコーナーで受け取る方式に。普通車の客による、無断持ち出しが後を絶えなかったようだ。ただKTXの運行開始当初は、専属の女性客室乗務員が乗り込み、サービスにあたっていた。契約職から正規職への転換を求めストに入り、そのまま解雇。以後復職もかなわず、公社側も「もうこりごり」となったのか、代替要員の採用も行われていない。
快適に過ごすこと2時間で、釜山着。たまたま釜山に遊びに来ていた友人も合流し、釜山駅新コンコース2階の食堂でランチにした。釜山港を一望できる環境はいいけど、値段の割に味はイマイチな参鶏湯だった。
乱暴運転のタクシーで港に戻り、2階席へ。連休最終日の午後便という、満席必至の便にも関わらず、2階席はガラガラといっていいほどの乗り具合だった。年間フリーパスや早割など次々に割引を打ち出しているビートルだけど、窮状の裏返しといえば、それも真だろう。
波高0〜0.5m、つまりほぼ波がないという航海は快適そのもの。映画を見ながら、あっという間の3時間だった。
博多に着いてみれば、こちらはまだGWラッシュの続きである。「さくら」の自由席の空席に潜り込み、久留米へ。最後の最後だけはGWらしい、5日間の旅だった。
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