▲観葉植物で飾られた茶礼体験車
▲2編成併結のKTX山河
▲今夜の寝床はドラゴンヒル=龍山のスパ
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順天駅では少し時間もできたので、駅前のテジクッパ屋さんでクッパを夕食にした。7千ウォン(700円)といい値段だったが、その分具だくさんで味も良かった。残念な観光ではあったけど終始印象のよい街で、またゆっくり訪ねてみたい。
先行する列車で帰っていたしんちゃんと別れ、僕は西大田行きのS-trainに乗り込む。3週間前に予約サイトを見たら満席で、その後しつこくHPをチェックして抑えた難産のきっぷだ。だが車内には空席も多く、なぜ満席だったのか腑に落ちない。
茶礼は往路に体験したけど、体験室をのぞいてみれば、飾り付けやお茶の種類が違う。釜山発と西大田発では、茶礼室を運営する自治体が異なり、それぞれで個性を発揮しているのだそうだ。こちらの乗務員さんもフレンドリーで、行きの列車との比較で若芽茶でもいいし、お疲れなら疲労回復効果のある発酵茶でもと、あれこれすすめてくれた。
発酵茶はティーバックでの提供なので、茶礼体験はなし。でもせっかく日本から来てくれたからということで、お茶請けをサービスしてくれた。発酵茶は、紅茶と緑茶の中間のような味わいで、なかなかいける。
西大田方面の全羅線は、麗水EXPOへのKTX乗り入れに合わせて、大規模な線形改良を終えた路線。田園地帯と山間を、立派な高架とトンネルで貫いていき、ローカル線らしい風情はない。スピードも140kmと、日本の一般的な在来線特急より早いくらいだ。
発酵茶で疲労回復もいいけど、アルコールもほしいなというわけで、隣のカフェ車でHITEビールを一杯やった。止まり木から夜の帳が降りた車窓を眺めていると、列車は駅へ。珍しい列車の車内は、隣に止まった列車からも注目の的で、向こうの乗客と思わず目が合う。ぎこちない笑顔を交わし、列車はそれぞれの目的地へと出発した。
終点、西大田で降り、後続のKTXでソウル・龍山(ヨンサン)へ。今でこそ乗り換えを要するが、6月からはS-trainも龍山直通となり、一層便利になることだろう。
今夜は、駅前サウナの「ドラゴンヒルスパ」(12,000ウォン)で夜明かしである。広々した風呂やサウナでのびのびくつろぎ、深夜にも関わらずアカスリ(15,000ウォン)が営業中だったのもありがたく、全身スッキリすることができた。
ただ、連休中のスパの混雑は並大抵ではなかった。仮眠室は早くから満員で、毛布や枕も品切れ。結局、タオルを枕代わりにてし廊下でごろ寝する他なかった。人が通る度に目覚め、長い夜であった。
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