▲短距離路線としては充分な機内サービス
▲シャトルに乗ってターミナルへ
▲快速・快適な直通列車
▲週末帰省客で賑わうソウル駅
|
定刻にブリッジを離れた飛行機は、滑走路の東端に向かって進み始めた。大きな空港のような並行誘導路はなく、滑走路の端でおもむろに方向転換すれば、即、離陸体制である。本数の少ない地方空港ならではで、他の航空機の出航待ちもない分、きわめてスムーズだ。離着陸が錯綜すると影響は大きいだろうけど、佐賀空港の本数ならその心配はないだろう。
離陸した飛行機は、一路進路を韓国へ…と思いきや、有明海上を何度も旋回して高度を稼いでいく。佐賀平野の北側には1,000m級の脊振山系がそびえており、ストレートに超えて行くことはできないようだ。窓の外には、有明海のノリ養殖場や平成新山が見えて、なかなか楽しい眺めだった。
水平飛行に移ると、飲み物と菓子のサービスが始まった。このあたりを省略して経費を削減するのがLCCのスタンスなのだが、t−wayは「LCCらしくないLCC」と呼ばれる。菓子は外国製(韓国製でもない)のチップスで、機内のあちことからボリボリという音が響き始めた。
機内誌も分厚い立派な体裁で、日本語のページもある。佐賀の特集を組んでもらっているのは、地元民として嬉しい。「新福岡空港」的なポジションを狙う佐賀空港とはいえ、佐賀県にカネを落としてもらってナンボである。初めての日本で佐賀に時間を費やすこともなかろうが、2度目、3度目という個人旅行者には、ぜひ佐賀の魅力も味わってもらいたいものと思う。
仁川まではおおむね安定した飛行で、遅れもなく、定刻前には仁川空港へ着陸。規程の到着時刻の2分後、18時32分には韓国の地を踏むができた。ただLCCだけにターミナルは遠く、本体ターミナルから離れたコンコースAに到着。地下を走るシャトル列車で、ターミナルへと移動する。
シャトルトレインは、無人運転。5分間隔の運行なのだが、エスカレータを降りたところでちょうど到着、すぐに折り返しの列車が発車した。全線地下で車窓の楽しみはなく、釜山の地下鉄4号線のようだった。
入国手続き場はがら空きで、あっという間に審査が完了した。荷物は持ち込んでいたので、ストレートにゲートへ直行。銀行で両替して空港鉄道の駅に着いたのが、18時50分だった。こんなにスムーズとは思ってもおらず、間に合えば御の字と思っていた19時発のソウル駅行き直通列車に、余裕を持って乗ることができた。
空港鉄道は今、新幹線格のKTXの乗り入れ準備を進めており、改札口にははやくも「KTX」の文字が現れていた。一般・直通で別れていたホームも、KTXに1本を譲り渡すべく、統合されている。停車位置を前後にずらし一般と直通の乗り場を分けているのだが、停止位置が重なる一部の号車では乗降できず、成田空港の第2ターミナルビル駅のようになっていた。
全線開通で、ソウル駅まで最速の交通機関となった空港鉄道。全席指定、ノンストップの直通列車は30分に1本で便利なのだが、不人気なのか8,000ウォン(800円)の特別割引運賃は継続中だった。乗車率は半分程度と、まずまず好調なのだが。
空港鉄道のソウル駅は地下深く、地上駅を発着する長距離列車との乗り換えに時間がかかるのは泣き所。地下鉄1・4号線に乗り換えようと思えば再度地下へ降りなければならず、なぜこんな不便な位置に作ったのかと思う。数分遅れたこともあり、乗り継げるかなと期待していた19時50分の急行電車(特別快速格の通勤電車の急行)には間に合わなかった。
|