▲ホームを挟んで並ぶO-Train
▲プレイルームもあって子連れの長旅も安心?
▲積み上がるセマウル客車
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中央線との接続駅・堤川(チェチョン)に到着。ホームを挟んで停車していた、ソウル発のもう一つのO-Trainに乗り換えた。水原発は反時計回りに回るのだが、時計回りで巡りたいのなら、堤川で乗り換えればいいのである。ホームを挟み同型の特急が並ぶ姿は、福知山駅のようだ。
今度の列車は、1号車のエコ室が指定されていた。ソウル発の時点では満席で、一部の乗客は水原発に乗り換えて行ったが、それでも水原発より混んでいた。
なおO-Trainの乗車券は、パッケージ商品としてではなく、一般の列車として発売されており、外国人でもKorailの英語ページからインターネット予約が可能である。ヌリロだとムグンファ号の運賃が適用になるが、O-Trainはさらに格上のセマウル号、それも特室(グリーン車相当)運賃の適用。ムグンファとの差額は、サービス料金といったところだろう。何度も乗り降りしたり、ソウルや釜山からアクセスしたりするのであれば、O-Trainパスがお得。1日券54,700ウォン(5,500円)、2日券66,100ウォン(6,600円)で、ソウルや釜山からのアクセス路線まで乗り放題になる。
堤川からの太白線は韓国でも有数の山岳路線で、さっそくカーブとトンネルが続く線路になる。車内のテレビモニタでは前面展望が生中継されており、単線のトンネルを進む様子も案外面白い。ただ運転席と客席の間仕切りは透明ガラスにできるのに、曇りガラスのスイッチは入ったままだ。テレビ画面経由などより、生の風景を見せてほしいと思う。
急こう配の区間に入ると、さすがの最新型電車のモーター音も、一段と高まる。ヌリロ本来の運行区間は平地ばかりで、都市型の電車で山岳地帯を行く違和感が面白いと意見が一致。そういえば九州の「ななつ星」も、8両の長大編成がローカル線を走るのが面白いんだよと、鉄談義も盛り上がってきた。カフェで手にしたHITEビールの効果でもある。
トンネルを抜ければ、太白線は狭い谷を見下ろすように走って行く。谷底に、身を寄せ合うよう固まる小さな家々は、昔の炭鉱住宅だろうか。「産業線」の異名も持つ太白線の車窓はダイナミックで、韓国でも大好きな路線の一つである。
石項(ソッカン)駅には、廃車になったセマウル号客車が2段に積み上がっており、目を見張る。階段が付いており、今はゲストハウスとして活用されているようだ。「列車ペンション」は韓国各地に誕生しているが、どこも地平に置かれ「列車」的な雰囲気を出しているが、ここはなかなかユニークな存在である。他の幾つかの駅でも任を解かれたセマウル号客車が転用されており、ステンレス車体で耐久性がよいからか、有効活用されているようである。
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