審査場は、さすが『国』を代表する玄関口だけあって、美しく整えられていた。到着が集中する時間のようで、外国人窓口は長蛇の列。台湾人窓口に余裕があるのは、無人の自動審査機の効果も大きそうである。コンピューターで入国審査とは、確かな技術の裏付けがあってのことだろうけど、思い切っている。人手に頼らざるを得ない外国人の緊張とは裏腹に、生身の審査官は何ら問題なく、僕をパスしてくれた。
さて放免の身になったとはいえ、これから9日間に及ぶ旅である。まずは現金がなければ心もとない。クレジットカードは3社分持っているが、JCBとアメックス、もう1枚はVISAだが番号の凸凹がない日本独自企画のカードで、どれも台湾で通じるか確証がなかった。少し多めかなとは思ったが、見当もつかないのでとりあえず8万円を一気に両替しておく。返ってきたのは、手数料の30NT(ニュー台湾ドル、以下同)を差し引いた22,274NT。1円=3.6NTで、ひところに比べればかなりの円安らしいが、初めての僕には幸い比較対象がない。韓国だったら、だいぶ損したと入国早々ふてくされていたことだろう。
早く街に飛び出したいところだが、もう一仕事である。9日間もの滞在となれば、通信手段を確保しておきたい。韓国ではよくレンタルケータイの世話になっているが、台湾ではプリペイドのSIMカードが便利とのことで、手持ちのスマホのSIMロックを解除してきた。携帯3社のカウンターに行って見れば長蛇の列。3社の値段は横並びとのことだが、他社と違って無料通話を使い切ってもデータ通信ができるという、台湾モバイルの列に並んだ。待つこと20分、手慣れたお姉さんに支払い、本人確認、設定まですべてお任せして手続き完了。
ここまではスムーズだったのだが、最終的な確認には再起動が必要で、僕のスマホは起動までになぜか10分かかる。お姉さんに「ぷりーず、うぇいと、あばうと、てんみにっつ」と自信なさげに伝えてみれば、「10 Minits!?」と答えが返ってきた。僕の発音でも、通じないわけではないようだ。
再起動が完了すれば、しっかり電波を捉えており、いつも通り使えるようになっていた。500NT(1,850円)で10日間ネットつなぎ放題、100NTの通話料付きだから、国際ローミングやwifiルータを借りるよりも、かなり割安である。ただ日時設定は初期化されてしまい、時刻の自動補正も機能しないので、手動で再設定しないとつながらないサービスもあるのは覚えておきたい。つながらなくて焦ったのは誰?…僕です。
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▲曇り空の桃園空港に着陸
▲さすがに「一国」の玄関、立派なターミナル
▲台湾モバイルのカウンターでSIMを手にする
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