▲豊肥本線はいつしか赤い気動車が優勢に
▲竹田駅前通りは夜市の準備が進む
▲駅前広場の隅で静かに発車を待つ最終日の代行バス
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大分大学前駅から、再びキハ200系に乗る。目的地は豊後竹田だが、列車は途中の三重町で終点であった。乗り換え列車まで時間があったので、駅前をブラブラ。豊後大野市の中心地、三重町には、サークルの先輩に連れられよくドライブに来ていたものだが、駅に降りたのは初めてのことだ。教会風の、かわいい駅舎である。
三重町からの列車は、キハ220系の単行気動車。所定ならば宮地行きの列車なのだが、今日までは豊後竹田止まりである。もともと香椎線で走っていた車両のようで、通勤対応のロングシートなのは残念だが、ハイパワーのエンジンを武器に、坂道も軽々と登って行く。満員近かった列車も、緒方でかなり降りてガラガラに。終点、豊後竹田まで乗ったのは数人だった。
豊後竹田駅に降りると、ホームから駅舎の下、向かいの道路まで、ずらりと下がった黄色いてるてる坊主が出迎えてくれた。全線復旧を祝う『元気、快晴!プロジェクト』の一環で、地元の幼稚園児も頑張って作ったものだとか。一つ一つに、再開を祝うメッセージが書かれている。
駅前広場に出れば、前夜祭に向けてステージの準備が進んでいた。駅前通りにも、復旧を祝う横断幕が掲げられている。今夜は子ども夜市が開催されるとのことで、今夜から明日にかけて竹田はお祝いムードに染まるようだ。
一方、一年間に渡って重責を担ってきた代行バスは、今日でひっそりと運行終了になる。最終日ではあるがお名残りムードとは無縁で、発着場所の駅前をイベント会場に譲り、横の駐車場でひっそりと発車準備を進めていた。大分バスの分離子会社、大野竹田バスが委託を受けて運行している。
東北の津波被災各線の代行バスでは、案内や切符の確認が徹底していたけど、こちらでは案内・確認ともなし。地元の利用者ばかりだったということだろうか。時間のかかる各駅停車便だったこともあってか、乗客は僕を合わせても、わずか3人という寂しさだった。
出発したバスは国道を阿蘇方面に走り始めたが、すぐに脇道へ入り玉来駅に立ち寄った。駅に寄るため時間のロスが多くなるのは代行バスの弱みで、常磐線では代行バスより、一般の急行バスが混んでいたのを思い出す。ただ速達サービスも行われており、一部の便は豊後竹田〜宮地間をノンストップで結んでいる。玉来駅には、黄色いてるてる坊主がずらりと並び、明日を待っていた。
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