カフェは子ども向けメニューばかりというわけではなく、大人向けの軽食類もいろいろと揃う。僕はロールケーキとコーヒーのセットを席に持ち帰り、雨に煙る阿蘇の山を見ながら甘い味わいを楽しんだ。雨脚は強まり、徐行規制がかかる。
もったいないなと思うのは、2号車に4ボックス設けられたボックスシート。向い合せの座席には大きなテーブルがあり、グループや家族旅行にはうってつけだと思うのだが、この日の乗客はゼロだった。4人グループの乗客は普通の席に収まっており、売り方が下手なのかなと思う。
SL時代と変わらぬ列車のハイライトが、立野駅のスイッチバック。外輪山から平地へと行きつ戻りつ下って行く車窓は、何度見ても圧巻である。スイッチバック途中の引き込み線は、クルーズトレイン「ななつ星」の長い編成の乗り入れに備えた延長工事が完了。夢の豪華列車の運行開始も、いよいよ秒読み段階である。
思えば今回の復旧が予想以上の早さで進んだのは、「ななつ星」の運行開始が10月に迫っていたことも背景の一つにあるだろう。1泊2日コースも3泊4日コースも豊肥本線がコースに組み込まれており、豊肥本線が不通のままでは、すでに予約受付済みのコースを大幅に見直すことは避けられなかった。豪華列車の運行が地域の足の復活を後押ししたのであれば、これはこれで意義深いことだと思う。
熊本着。久留米へは、時間に余裕もあるので快速で帰るつもりだったのだが、大雨の影響で運転見合わせになっていた。運行再開の見込みも立たないということで、泣く泣く新幹線特急券を購入。混んでいる大阪直通「さくら」を避けて、ガラガラの熊本〜博多間区間「さくら」で久留米へと戻った。
8月4日は、久留米にとっては盛り上がる夏祭りの日である。残念ながら雨の影響で、この日行われる予定だった昼のパレードは中止に。しかし夕方には止み、一万人のそろばん総踊りは予定通り参加できた。雨も大きな被害を与えるには至らず、何よりである。
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▲カフェには乗務員の手作りメッセージが
▲ボールプールは楽しげな雰囲気
▲スイッチバックも「ななつ星」の受け入れ準備完了
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