▲なかなか見られない「こぼれたラーメン」のサンプル
▲川に張り出す家の下で遊ぶ子どもたち
▲日の丸が揺れる街並み
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郡上八幡は、食品サンプルの街でもある。昔の食堂やデパートの屋上レストランのショーケースでよく見た(それだけでもなかろうが)、あれである。土産物のキーホルダーにして売り込んだり、製作体験をやったりと、これも一つの産業観光。十二個セットのお菓子なんてあれば職場への土産としてウケるかもと思ったが、幸い(?)そのような商品はなかった。ちなみにクーポンの「おやつ券」も使えるが、当然見た目がそうなだけで、おやつにはならない。
散歩の疲れを、吉田川を望むオープンカフェで癒す。名水で淹れたアイスコーヒーは、やはりすっきりした後味。夜にはバーにもなるようで、夜の川の風に吹かれながらのカクテルってのも最高だろう。昨夜の町屋バルにしても然り、夜が遅いだけでなく、若い世代でも楽しめる街だ。古い街並みが「あるだけ」の街とは違う。
郡上八幡のシンボルでもある湧水「宗祇水」。神棚が祀られ、豊富な水にも関わらず感謝の気持ちを忘れない、街の人の気持ちが伝わる。ここも野菜洗い場〜洗濯場の取り決めがあり、上流側でペットボトルに給水。あちこちに湧水があるので、郡上八幡に来てから水やお茶を買っていない。
名古屋では35度を超えたこの日、川遊びをする子どもたちの姿があちこちに見られた。川には三階建ての家々が張り出し、「人工地盤」の上には庭がある。他では見られない、特徴ある風景を作る。
二枚使えるおやつクーポンは、左党コンビらしく二軒の酒屋へ。秘蔵生酒と大吟醸の地酒を、それぞれ一杯ずつ試飲させてもらった。水よしの土地でできる酒が、どうしてまずかろう。後刻、同じく日本酒好きの同期のお土産に、一本仕入れて帰ることになる。
古い街並みには、ずらりと日の丸が並ぶ。そうだ、今日は祝日だった。僕の出身も田舎の街で、祝日には日の丸を掲げる習慣は根付いていたけど、それも最近ではだいぶ少なくなってきたように思う。近年できた祝日、それもハッピーマンデーでも掲げられる日の丸に、古き良き雰囲気が一層増す。
クーポンで入場できる郡上八幡博覧館へ。通年で郡上踊りの実演を行っていて、時期を外して来ても踊りを見られるというのがウリの展示館である。二階の郡上八幡と水の展示が面白く、本稿で書いた郡上八幡と水の知識もおおかた、ここで仕入れたものである。ちなみに博覧館に入場すると、併設のお土産屋の5%割引券が貰える。品揃えも充実しているので、余所で買うよりお得だ。
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