▲東温泉への道からは、南国らしい色の海も臨める
▲ダイナミックな朝風呂を満喫
▲見送りも、ジャンベの音に合わせて
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宿まで1時間かけて戻れば、朝ごはんの時間。朝から体をよく動かしたので、白いご飯がことの他おいしい。和食の朝ごはんではあったけど、モーニングコーヒーがつくのも、嬉しいところだ。NHKラジオを聞きながら。ゆっくりコーヒーを飲んで時計を見れば、8時10分。船の時間までは2時間を切ったけど、もう一度
東温泉に行く時間はありそうだ。
というわけで身支度を整え、再び島の東側に向かって歩き出した。片道25分の、勝手知ったる道のりである。時間は違えど、曇り空とあって昨日と同じ表情の岩場の温泉。海面は少し高かったけど、引き潮に向かう時間なので不意に高波に襲われる心配もないだろうと、二度目の秘湯に飛び込んだ。朝から、極楽極楽。昨日は入れなかった熱めの湯船も、夜の間に冷めたのか適温に変わっていた。
帰路には天候が崩れ始め、合羽で雨を避けつつ9時半に宿に戻った。他の宿泊客は既にみな港に行ってしまったらしく、もぬけのから。まだ船の出航まで40分もあるのだが、早発することもあるのかもしれない。荷物をまとめて7,100円(一泊二食6,500円+焼酎600円)を払い、急いで港に向かった。
待合所兼出張所に行くと、すでに切符の販売窓口は閉まっていた。往復券を買っておいたので何も影響はなかったけど、買ってなかったら途方に暮れただろう。そこへ、二人組の女性がやって来た。
「もう窓口閉まってるね」
「じゃあ船内で買えばいいね」
なんだ、それでいいのか。
出張所の隣では、島で唯一の土産屋が、船の出航時に限って店開きする。店を守るのは、今朝まで宿でお見かけしていたはずの、島宿ほんだのお母さん。特産の椿油製品が一番手頃な土産で、実家用に石鹸を一つ求めた。職場に持っていくような個包装のお菓子がないのは残念だが、手間がかかり
そうそう作れるものではないだろう。珍しい所では孔雀の羽根なんてものもあった。
雨はいよいよ本降りになり、見送りのジャンベも出張所の倉庫に身を寄せての演奏になった。ジャンベスクールを「卒業」するのか、硫黄島Tシャツを着た若い女性も見送りを受けていた。週に2〜3回繰り返される出航の風景には、毎回ドラマがあるのだろう。見送りの人に手を振りつつ、再訪を誓った。
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