▲八代駅で出発を待つ食堂車。展望席にはデコポンが。
▲山側の座席は、個室感覚に
▲佐敷駅の駅マルシェ
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八代を発つとJR肥薩線と分岐し、球磨川を渡る。トンネルに入ると、海側のテーブルにしつらえられたランプシェードが輝き、いいムードに。ディナータイムに運行される3号はコース後半、この雰囲気で走るのだろう。
日奈久温泉を出ると、さっそく東シナ海が車窓の友となる。在来線特急「つばめ」の頃は、海でも眺めながらコーヒーでもとビュッフェに立った頃だが、おれんじ食堂ではコーヒーとフレッシュジュースがフリードリンクになっていて、ウエイターさんに頼めば持ってきてくれる。ごく普通のレギュラーコーヒーではあるのだが、走る車内できちんとした陶器のカップで供してくれるのが嬉しい。
さてこの「おれんじ食堂」は、2号車と1号車では内装もサービスも、そして料金も大きく異なる。
1号車はダイニングカーと称し、1つの空間にダイニングテーブルが置かれたレストランスタイル。大人数での利用も楽しそうである。新八代から川内までの全区間乗車が基本で、食事の他、沿線各駅でのお土産も付いてくる。料金は、昼の列車で12,800円、夜の列車では14,600円とかなりのお値段。ツアーでの利用も、この1号車となるようだ。
一方の2号車は前述のような内装で、少人数での利用はこちらが良さそう。区間利用もOKで、乗車券プラス指定券1,400円で利用できる。指定券としては高値だが、ゆったりした座席やフリードリンクのサービスを考慮すれば、お値打ちとも言える。食事は4,500円で追加もできるので「食堂車」的な利用もOKだし、駅弁を持ち込むのもテである。
乗車して約1時間で佐敷着。1駅目の「おもてなしマルシェ」の開催駅である。1号車の乗客は、用意されたお土産品を券と引き換えにもらえるが、僕ら2号車への販売分も準備してくれている。揚げたての馬肉コロッケは美味だし、から揚げは後から食べたが、時間が経っているにも関わらずジューシーさが残っていた。ただここで飛ばしすぎると、あとあとお腹が辛くなってくる。
佐敷駅といえば特急「つばめ」が停車していたのに、新幹線には通過されてしまい、寂しくなってしまった駅の一つ。観光列車の登場は、駅に華やぎを添えてくれたようだ。
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