▲東横線と目黒線が同時入線する武蔵小杉
▲古き良きターミナルの匂い残す渋谷駅
▲蒲田駅から急カーブで分岐する空港線
|
早くに出て行った妹を見送り、惰眠をむさぼってから朝の大倉山の街へ。駅前の喫茶チェーンでモーニングを食べて、長きにわたる旅行の最終日の始まりである。十二時半の飛行機までフリータイムだが、動ける範囲も限られているので、ひとまずは東横線の渋谷方面行きに乗った。
武蔵小杉で一旦下車。東横線と目黒線が並行する複々線区間の駅で、目黒線にはメトロ南北線、本線にはみなとみらい線の電車も混じる。東横線と目黒線の併走シーンも見られ、見ていて飽きない。春からは東横線のメトロ副都心線直通化に伴い、西武線、東武線の電車も混じることになる。相互乗り入れが盛んな関東の私鉄は、車両のバラエティが豊かだ。
特急に乗って渋谷へ。古びた急カーブの高架橋を走り、着いた渋谷駅は一昔前の私鉄ターミナルといった趣き。規模は違うが、ソラリアターミナルビル完成前の西鉄福岡駅を思い出す。地下鉄銀座線への乗り換えは階段がメインで、バリアフリーの考えも薄い。前時代的な姿で取り残されているのは、地下駅移転を前に投資が控えられてきたからと察する。どことなく懐かしさを感じる駅のただずまいを見られるのも、今回で最後だろう。
山手線で品川に移動し、京急に乗り換え。混んでいる快特を避けて、かつては優等列車で活躍した1000形の普通電車に乗った。クロスシートからロングシートに改造されているが、座席はふんわりと柔らかく、最近の電車の硬質なそれとはずいぶん異なる。加速の良さは京急の持ち味で、こまめに加速、減速を繰り返しながら蒲田駅へ。高架化後の様子を観察すべく、下車する。
京急蒲田は立体交差化で、下り線乗り場が三階、上り線が二階という構成になった。羽田空港行きの電車は品川方面から来たのか、横浜方面から来たのかで二、三階に別れる。さらに限られた敷地で、空港方面のホームと各駅停車の退避ホームを設けた結果、快特を待つ普通電車のホームが大きく離れることになっている。慣れればなんてことはなさそうだが、初めてならば大いに戸惑うことは必至で、案内所が設けられていた。
空港方面への分岐は、地平時代そのままの急カーブ。電車の通過と同時に、車輪と線路が傷まないように散水する装置が設置されていた。ボトルネックとも言われた区間の重層複線化で、品川、横浜から空港へそれぞれ十分間隔という濃密なダイヤを確保している。蒲田通過のエアポート快特も設定され、モノレールとの競争ではだいぶ優位に立ったようだ。
三階ホームから、エアポート快特に乗車。京成から直通の電車で、京急も車両のバラエティは豊富だ。所属会社は違えど加減速性能は高く、トンネルに入ればあっという間に羽田空港だった。
|