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お正月こそ旅!山陰へ
1日目
はじめまして、さよなら「なは」

寝正月などもったいない!

今回の旅のルート(Map作成ソフト:白地図 KenMap


 お正月といえば旅! 九州新幹線開業前には、JR九州が正月に格安のフリーきっぷを売っていたこともあって、正月はほとんど家を空けていたものだ。その格安きっぷがなくなって以来、家で過ごすことが多くなった正月だけど、今年はなんだか旅の虫がうずいてきた。こうして自由に年末年始を過ごせるのも、自由な身の今だけだ。

 目的地は、山陰にしよう。高校生の時、補修授業の谷間の短い夏休みに「18きっぷ」で縦断した山陰だが、それからもう10年。しかもあの時は、ほとんど通過しただけだったから、今度はしっかりと乗り降りして、歩いて見て回りたい。とりあえずは、GWの北陸以来2度目になる「周遊きっぷ」を購入。年末進行の仕事と忘年会続きで、ろくな計画も準備もできないまま仕事納めを迎えた。
最初で最後の「なは」の夜

  そして12月29日、冬休み初日。午前中から山陰とは反対側の、熊本県荒尾市へ車を飛ばした。この日は、遊園地「グリーンランド」で、おっかけてるバンドのイベントライブがあったのだ。ついでに久々の遊園地で遊び、福岡に戻ったのは午後7時前。急いでコインランドリーで一週間分の洗濯をして、旅の準備を整え家を出た。こんなスケジュールが組めるのも、夜行列車あればこそだ。

 いつもの電車で博多駅へ。ラーメンスタンドでラーメンと生ビールを流し込み、10時半発の寝台特急「なは・あかつき」に乗り込んだ。GWには「あかつき」のレガートシート(指定席車)に乗ったが、今回は「なは」の1人用B寝台個室「ソロ」をおごってみた。明朝の岡山下車は午前5時で、どうせ長い時間は眠れないのだから指定席でも充分だったが、今回が最後のチャンスだろうと思ったのだ。

 「あかつき・なは」は、両列車とも来春のダイヤ改定で廃止になることが決まっている。あと2ヶ月余りあるとはいえ、今回が最後の乗車になるのは間違いないだろう。少し早い、お別れ乗車の気持ちで今回、無理して行程に組み込み、寝台券6,300円を叩いたのだ。

 「なは」のソロはJR九州所属。在来線特急「つばめ」と同時期の改造車で、デザインには共通点も見られる。鍵型に上下の部屋が組み合わさる「はやぶさ」のソロと違い、完全に上下の部屋が重なる2層構造だ。特に下段は腰を屈めてドアをくぐらなければならず、カプセルホテルを少し広くした程度の広さしかない。それでも壁面いっぱいに広がる窓のおかげで、だいぶ圧迫感はやわらいでいる。これに乗って、有明海を眺めながら鹿児島まで乗ってみたかったと思う。

 他の車両や「あかつき」も覗いてみたが、開放型B寝台を含めそこそこ乗っている印象。とはいえ、帰省ラッシュのピークの日なのだから、満席近くたってよかったはずだ。廃止報道を受け、お名残乗車でもっと混んでいるかと思っていた。1万円以上もの寝台料金がかかるA個室「シングルデラックス」は1室が空いているのみで盛況なのは、意外だった。

 缶ビールをぐびっと空けて、ゆったりした轍のリズムに身を預け、流れる夜景を眺めていれば夢見心地。眠りたくないくらいだが明日も早いので、門司での機関車交換を見届けてから、部屋の明かりを落とした。


 


▲今宵の宿が博多駅へ入線


▲流れる夜景を肴に

▼2日目に続く

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