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長崎ドライブ敢行

2002年6月22日

 6月21日の夜、翌日の研究室の作業が突然なくなった友達から、車で長崎へ行かないかと誘われました。私も、以前からみんなで行きたいと言っていたのでもちろん快諾。それからの数時間で、長崎のリサーチとメンバー集めを鬼のようなスピードで行なった結果、なんとか2人つかまり、都合4人での長崎ドライブが敢行されることが決まりました。

 そんなこんなで床に就いたのは午前1時。翌朝は一日を有効に使うために午前5時に起きて、6時に大分を出発しました。寝不足なのはみんなも同じですが、「長崎!長崎!」といった感じでテンションは上がりっ放し。朝からこんな調子で、体力持つのかな?

 途中、ガス欠の危機に見舞われつつも、午前9時には無事長崎入りを果たしました。もし列車だったとすれば、ソニック+かもめの乗り継ぎだったとしても4時間はかかり、往復1万円。クルマなら、4人揃えばガス代・高速代・駐車場代まで含めても1人あたり4千円程度で済み、鉄道好きでもクルマの優位性を認めぬ訳にはいきません。

 しかし長崎市内の観光は電車が便利。というわけで車を平和公園駐車場に停め、あとは電車と歩きで街を巡ります。平和公園駐車場ほか、松山町周辺の駐車場では「パーク&ライド」向けに1日停めても駐車料金は500円で、クルマでの日帰り観光には便利でお得です(詳しくは長崎市ホームページへ)。


大分光吉インターからスタート

平和を祈る

原爆資料館

 ここの駐車場に停めて平和公園に行くと、いきなり平和祈念像の真横に出てしまいます。これではいかんと、松山町電停方面へ戻って、改めて正門から歩きなおしました。階段や噴水を経てたどり着いた祈念像は、まったく違う重みに見えました。やはり「プロセス」は大事なのだなと実感。

 歩いて原爆資料館へも足を向けました。私はもう3度目になりますが、改めて人間は愚かなことをやってしまったと恐ろしく感じます。しかし今回は復興への道のりを記録した写真展も行なわれており、人間は打たれ強い生き物でもあるとも思いました。今世紀は波乱の幕開けとなってしまいましたが、世界が平穏に向かっていくことを願わずにはいられませんし、そうなるよう努めていくべきでしょう。

 しかし、相変わらずすごい重みだ・・・ 長崎を語る上で外せない原爆ですが、資料館を見ているだけでかなりの力を消耗するのも確か。出てきたときには、「もう帰ろうか?」というノリになっていました。


中通りの賑わい

眼鏡橋

皿うどん&青島ビール♪

 近くのホテルで「電車1日乗車券」500円をゲットして、路面電車でいざ市街地へ! 100円運賃を守りつづける長崎電鉄の企業努力には、毎度頭が下がります。長崎駅の観光案内所で、長崎スカイウェイとグラバー園の前売り券を購入。ここでは、それぞれ100円引きで購入できます。さらにコンコースでは発泡酒の試飲会をやっていて、ゆかたのお姉さんから「本生」のミニ缶を頂きゴキゲン♪ 暑い中の発泡酒は、五臓六腑に染み渡りました。

 再び電車に乗り込み、観光通りで下車。浜せんアーケードを抜け、中通りに出ました。ここの商店街はほどよく狭く、そしていつも人で賑わっています。空き店舗や空き地もほとんどなく、服から骨董品まで、さまざまなお店が軒を並べるこの商店街は、長崎でも好きな通りのひとつです。

 中通りから川へ出ればご存知、眼鏡橋を始めとした石橋群がお出迎え。 周辺の柳並木や石畳がいい雰囲気を作っていて、憩いの場になっています。この川には水害に備えて暗渠も掘られていますが、防災をはかりつつも川は川として残した街造りの姿勢には、好感を抱きました。

 早起きだったので、お昼にはお腹はぺこぺこ。近くの立派な構えの中華料理屋さんで、ちゃんぽんと皿うどんを食べました。特に細麺の皿うどんは、パリパリ感が絶品。青島(チンタオ)ビールはあっさりしていて、日本のビールとは一味違いました。味・量とも大満足で、またもや「もう帰ってもいいね」なんて声も。しかし長崎の旅はまたまだ続く・・・


大浦天主堂

グラバー園からの長崎港の眺め

三菱ドッグハウス

ウォーカー邸

自由亭で港を見ながら珈琲タイム

グラバー邸

 眼鏡橋から公会堂前電停へ出て、電車で大浦天主堂下へ。このあたり、かなり「観光地観光地」しているエリアではありますが、港を見下ろす眺めは長崎ならではといった所です。

 大浦天主堂に入ると、これまでの周辺の雰囲気から一転、ぐっと静粛な気分になりました。扉1枚隔てた俗世間とまったく違った空気を作っています。ステンドグラスの投げかける光の芸術に、息を呑みました。

 続いて入ったグラバー園(入園600円→前売500円)は、小学校6年生の修学旅行以来、実に9年振りの訪問です。その時は駆け足で、しかも友達とワイワイやっていたので、記憶にあることといえば「動く歩道」くらいなもの。今回は建築を学ぶ学生4人での旅行ということで、それぞれじっくりと堪能できました。特にグラバー邸は港を見下ろすロケーションも含め、明るくて素敵な建築物でした。

 現在は喫茶店として営業している「自由亭」で、アイスコーヒーを飲みながら一息。こちらも落ち着いたいい雰囲気で、窓からの港の風景を見ながらの一杯は至福のひとときでした。


賑わう夕刻のダイエー前

ツル茶ンのトルコライス♪

稲佐山からの夜景

 グラバー園から「国際あいさつ通り」を下って、今度はオランダ坂へ。東山手洋風住宅群や12番館を巡っていると、時刻はもう5時をまわっていました。しかしこの日は夏至の翌日。まだまだ1日は終わりません。

 市民病院前から、電車で西浜町へ。ダイエー周辺には八百屋や露店が並び、さながら市場のような活況を見せていました。ダイエーもここでは元気で、長崎の中心市街地は活気があると改めて感じます。友達はわざわざ、トマトとオクラを買っていました。「だってスーパーの野菜とは新鮮さが違うだろ。」確かにそうだけど・・・

 さて、夕ご飯も中華にしようかと中華街に足を向けてみましたが、ちょっと敷居の高い店ばかり。それに豪華な中華は昼に食べたし・・・ というわけで、西浜町アーケード方面へ転進。もっと庶民的な長崎名物を食べようというわけで、本屋さんに入って「トルコライス」のおいしい店を探したところ、程近い場所に良さそうなお店を発見。さっそく足を向けたのでした。

 そこは、九州ではもっとも歴史あるという喫茶店「ツル茶ン」。建物自体は建て変わってますが、今のお店の内装も雰囲気バツグンです。トルコライスはパスタやカツ、サラダなどが一皿に盛られた「大人のお子様ランチ」的なもので、トルコの国とは一切関係ありません。ボリューム満点、いろいろなものを一度で味わえる満足感が嬉しいです。みんな大満足。おいしかった〜

 土曜の夕方ということで賑わい始めた思案橋から、電車で松山町へ戻ります。日の沈みかけた平和公園へ、改めて向かいました。夕日を浴びた平和祈念像は、また違った表情をしていました。

 いよいよ長崎のフィナーレということで、夜景観望へ。中腹まで車で登り、あとはスカイウェイ(往復500円→前売400円)に乗り継ぎます。山頂からはさらに展望台に登るのですが、みんな夜景を見ないように登り、一斉に顔を上げれば・・・ そこには長崎の夜景が広がっていました。狭い人間の住むことの可能な土地に、びっしりと光がまたたいています。「まるで山頂から星をいっぱい流したみたいだ!」と、一同大感激でした。街全体に響く船の汽笛が、またミナト長崎らしくていいんだ・・・ 充実した1日の最後を飾るにふさわしい最高の夜景で、長崎ともお別れです。

 夜9時、帰路につきました。高速道路を飛ばすこと約3時間で別府SAに到着。別府の夜景を観望したあとは、街に降りて温泉つきのラーメンを堪能。最後の最後までおいしかった日帰り旅は、つつがなく終わりました。

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