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韓国乗り歩き10日間(1)

1日目・旅の始まりは関釜フェリー/佐賀〜下関〜釜山

 

さあ、二度目の韓国へ!

 2001年春。高校の卒業旅行で、初めて韓国の地を踏んでから2年余りの時を経て、ようやく二度目の訪韓が実現した。今回は、大学の学科仲間3人と共に10日間韓国を巡る、長丁場の旅だ。僕だってこんなに長い旅は初めてで、しかも海外とあってはちょっと不安だが、旅には一番いい季節。大丈夫だろうと旅立った。

 桜も咲き始めた3月28日。僕は帰省先の佐賀から、鹿児島本線を北上して小倉を目指した。谷口は広島から山陽新幹線で、市野瀬と森の二人は大分からソニックで、それぞれ小倉駅に集結。久しぶりの再会を喜びながら、関門トンネルをくぐり下関へと抜けた。釜山へのフェリーが出航する、下関港国際ターミナルは、下関駅から歩いてすぐだ。ビル内は大賑わいで、しかも相変わらず韓国人優勢。ここから「ほぼ」韓国という雰囲気で、身を引き締める。

 午後5時、乗船・出国手続きが始まった。手続きが終わると、韓国人は一目散に船へと走り出す。それぞれの席は確保されているのに、相変わらずだなと見ていると、市野瀬もつられて走り出してしまった。優れた順応性には、この先も何度か感心することになる。

 今回も前回と同じく、日本船籍の新造船「はまゆう」が当たった。船内の設備は充実していて、快適な一夜を過ごせそうだ。しばらくは本州の沿岸を北上。夜の帳が下りれば、漁火が漆黒の海面を照らす。そんな夜景を眺めながらレストランで飯を食ったり、大きな風呂に浸かったりと、勝手気ままに過ごせるのが船の良さだ。免税の格安ビールを傾けつつ、「はまゆう」の夜はふけていった。

 午後11時過ぎに韓国の公衆電話が「圏内」に入る。韓国の知人に連絡をとっておこうと、前回の旅で使い残していた韓国通信のテレカを差し込むが‥‥ アレレ? 入らない。
 そこへ船員さんがやって来て、
 「そのカードは使えませんよ」
 「えっ、カード変わっちゃったんですか!?」
 「いや、全部が変わったわけじゃなくて、一部がICカードに変わったんですよ」
 なるほど、2年間の間にそんな変化があったのか。韓国の公衆電話事情も、今の日本と同じなのだ。IC公衆電話は駅や街角でもよく見かけるようになったというので、500円で5,000ウォンのICカードを購入した。

 しかし、その知人宅へ電話はつながらない。何度かトライしてみたもののギブアップ。仕方がない、もう寝よう。目覚めれば、釜山だ。

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